私の中の眠れるワタシ
「私が見ていたのは、彼と母の情事。私がどんなにそうしたくても届かない、女としての一つヒトツの仕草や言葉……
愛されるために、必要な道具である全てを探していたのよ。」
そう言って彼女は、灰皿の中の吸い殻を一つつまんで、唇をつけた。
「身体を捧げる事では、足りないのよ……。
何かを受けとらないかぎり。」
なんてことだ……。
彼女の心は、もうすでに『異常』な気がした。
でも、窓の外に探す答えは、私と同じだったなんて。