私の中の眠れるワタシ

そんな事、一言もいってない。責めたつもりもないのに。

そんなわけで、練習中は上手くやっていけても、試合に出場するとなると、私と組むのは敬遠しだす子ばかりになってしまった。

その点、サナミは違った。

「負けは、負け。練習も大切だけど、運も実力!」

そう言って組み始めてから、私達は面白いように勝った。

サナミはセンスがいい。飲み込みが早いというか、言われた事がすぐできるタイプだ。

私はというと、まるっきり努力の人。足も遅いしニブイ。でも、練習量は誰にも負けない自信から、変なところで勝負強さはあった。

サナミはそれを、楽しそうに受け入れ、実力的にはサナミの方が上だと思うが、部長に私が指名された時も、適任だと本当に喜んでくれた。




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