私の中の眠れるワタシ
「うっそだぁー!!!まっさかぁ!?」
私は心の底から茶化すように叫んだ。
笑いたくもないのに、唇の端が持ち上がる。
でも目が、笑えない。
「ちょっ!ちょっと声、大きいってば!…じゃ、蜜も知らなかったわけ。」
「知ってるとか、知らないとかじゃなくてさー、ウワサでしょ?あの子昔からそういうの、多いじゃない!」
「まあね。でも、まー、火のないところに煙は立たないってさ、言うじゃない?サナミ語録よ。」
それはサナミ語録じゃ、ないだろう。でも、笑えなくなってくる自分に気が付いてきた。
「蜜なら、聞いてたかと思ってさ。情報通じゃない?いっぱい交換日記してるし。」
「もう今、二冊だけだよ。」
サナミは悪くないのに、冷たくぴしゃりとそう言ってしまった自分に気付き、
「あ、いや。なんか勉強大変だから、ノートがなくなる時に、次回からは、会って話そうよって言ったんだ。」
と、続けた。
「ふーん、まあ、私には関係ないけどさ。とにかく、高田さんとも、相田先生とも仲良かったって、蜜くらいじゃない?なんかそうなる成り行き、知ってるかなってさ。
もちろん、それを誰かに言うわけじゃないよ?ただなんとなく、嫌な予感がしてさ。」