私の中の眠れるワタシ
−−その予感。実は私も感じていた。
やっぱりサナミは、私と相性がいい。
そんなウワサを、よりによって、私に持ってくるなんて。
でも、サナミの感じる予感の正体を、サナミの解釈で聞きたかった。
「何がどう、嫌な予感なのさ。」
「高田さんなら、有り得るかなってね。結構前だけど、かなり年上の……でも若い男の人と歩いてるの見かけたことあるんだぁ。
……別に私、人が誰を選ぼうと、どうでもいいの。その頃そんなような噂もたったけどさ、私は聞き流してた。」
たしかに、サナミはそういう子だ。 嘘ではないと思う。
「だからさ。もしかして、先生っていうのも、考えられる話かなって。」
私は突然、サナミを『オンナ』に感じた。その勘や、実際に目撃しているものに、私はなぜか恐くなった。
「サナミ、先生の事、好きなの?」
「はあ?……ちょっと、どうしたの。そんなわけないでしょ?私はカワイイ年下が好きなの!」
年下と言う言葉に気がぬける。中学三年生で、もはや年下を良しとする感覚にも驚いたが。
「……私が心配してるのはさ、もし、本当だったら?噂が広がってしまったらの事。
先生は、ここにはいられなくなる。部活もなくなるかもしれない。相田先生が、仕事を無くす可能性だって、あるんだよ?だって、相手が未成年なんてさ。部活が無くなるの、困るじゃない!」