私の中の眠れるワタシ
私は足の力が抜けて、道端にひざをついて座り込んでしまった。
「蜜、大丈夫??ごめん、おどかしすぎたぁ?蜜は部活、大好きだからね〜。私と一緒に心配してくれると思ったよ。」
そこから先は、あまり覚えていない。
サナミの話は部活の事に戻り、私は適当に相槌をうち、サナミの家の前で別れ際最後に、
「蜜に言ってよかった。先生に忠告してあげてよ。私はちょっとそういうの、ニガテだからさ。
じゃ!明日ね〜。」
と言って、玄関のドアの向こうに消えた。
一人になり、歩きながら、私はうわごとのようにつぶやく。
……嘘だ。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ……
事実を確認したい。もうその衝動にかられてからは、めちゃくちゃに走った。
どうしてかわからない。
咄嗟に私は、美月の家に向かっていた。
いるかどうかなんて、わからない。
また美月の母が、以前耳にしたような淫らな事、してる途中だったらどうしよう……
いや、もしかして美月が、その彼の事まだ好きで、美月がしてるかも……
むしろ、そうだといいと、願った。
しかし、チャイムを押す頃。やっぱり私は不安になってくる。
またあの赤いやつ、見せられたら……?
そして今度はそれが、相田先生にされたものだと、打ち明けられてしまったら……?
私は、正気を保つ事ができるだろうか。