私の中の眠れるワタシ

美月は、『女性として魅力不足なこと』に、彼から罰を与えてもらい……。


私は、『母にとってイイ子でないこと』に、罰を与えてもらう。



私と彼女を、赤と青にぬりわけるのは。


心が傷むか、身体が痛むかの違い。


そう思うと、やっとあの頃の美月の悲しみが伝わってきた。

私に何が見せたかったのか。
あの日の帰り道、そればかり考えた。
帰ってからもずっと気持ち悪かった。

だけどあの時、一緒に私も脱いでみせてあげればよかった。

−−私の身体に広がる、青や黒の印を。

彼女と、本当にわかり合えたかもしれなかったのに。



もう、その時ではない。



< 93 / 433 >

この作品をシェア

pagetop