私の中の眠れるワタシ
家に着いて、自分の部屋に入ったら涙がでてきた。
美月がもし、先生を好きなら。
きっとその恋は叶うかもしれない。
そのくらい、美月は私からみて魅力的だった。
まだ、たった十五歳かもしれないけど。
私がいつか、先生の車の中で感じた、先生の子供っぽさを、きっと彼女は驚かない。
「男だもの。当たり前よ。」
と、包容してしまう笑顔すら簡単に用意できてしまいそうだった。
今日の彼女の身体が、ふくよかに丸く見えて、それが美しいと感じたのは。
以前目の前で、突然はだけられた胸が、あまりに貧相で、ギスギスと、心の歪みをあらわにしていて。
……虐待を受けた子供のような『哀れさ』が滲んでいたからだ。
彼女は今、身体をいたわっている。
愛して、大切にしている。
どうしてそんな事、わかっちゃうんだろう。
きっと、私の中にも少なからず備わる、女としての本能が、大切な人のために身体を守る事をいつも、訴えているからなのかもしれない。