私の中の眠れるワタシ

美月には、幸せになってほしい。


だけど、どうして先生なの?


嘘だ。信ジナイ。
私は、姿身の鏡に自分の全身を映し、私の胴体の上に美月の顔がある事を想像した。

……チグハグだった。

私の身体はあまりにも痣だらけの、虐められた『子供』だったし、美月の顔はあまりにも、いろんな事を年齢より早く知ってしまった『大人』だった。

大人ぶってるように見えたのも結局は、私のひがみ……


私だって。
負けたくない。
誰も、私より美月のほうが美人だなんて、言ってない。


途端に、おかしな勇気が湧いてくるのを感じて、やっと笑顔を作る事ができた。


……明日。

そう、もう明日だ。
私は先生に、想いを伝えよう。

口にすることは、恥ずかしい。子供っぽい。

そう思い込む事は、やめにした。


机の引き出しから、便箋を出す。

私には、交換日記で培った文章力があるじゃない。

きっと美月には、ないものだ。

私は、一行目を書き出す。
どう切り出せば、一番うまく伝わる??

私は、小さな鏡を机の上に立てる。こうすると、いつも勉強に集中できた。

鏡の中と目が合った。

ワタシと対面する。



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