「「お前が…」」 (大地&証治)
篠岡 証治
「はぁ……」
自分のクラスの自分の席が一番落ち着く…。
「どーした証治。恋した女の子みたいなため息しちゃって(笑)」
「んな顔してねぇよ…」
顔を上げて深いため息をした。
また言えなかった……。
「証治?」
「また言えなかった…」
「そっか」
目の前にいる新谷は、俺が大地に言いたい事を知っている。
新谷の次は田辺。
その次は大地って決めてるんだ。
夏大は終わった。
田辺は今怪我で入院してて、言いに病院まで行くのは少し時間が足りなくてできない。
だから先に大地に言おうと思ってるんだけど、――…
大地にはフォークを教えてもらったんだ。
高1のときに。
そのとき、大地は俺の事なぜか避けてた。
今では普通に会話してるけど。
大地にはいろいろしてもらったからなぁ……。
そんな事を考えていたら授業開始のチャイムが鳴った。