君との期待値
テスト+彼女?
放課後の教室で、紙の上をペンがはしる。
紙とペンのすれる音だけで、急に頭がよくなったような錯覚に陥る。
けど実際は……。
「……全っ然わかんない」
冬休みもお正月が疾風のごとく去っていき、
あっという間に2月のテスト期間というところまできていた。
そんな私は未だに休みボケが尾を引き、今日まで何一つ勉強などせずに毎日を送っていた。
……そのツケが、今まさにきている。
英単語から社会の用語さえ、何も分からない。
「亜姫ちゃん、明日からテストだよ。大丈夫?」
隣で一緒に勉強する美波が心配そうに問いかける。
そんな彼女は部活をしながらもテストはいつも上位。
文武両道少女なのだ。