君との期待値
君+私
「懐かしいなー。ハハッ。亜姫とか全然変わってない」
昔のように笑う。
声も仕草も、私に話かける言葉も声も変わってない。
何もかも変わらない先輩。
変わったのは、私たちの関係だけ。
「大地先輩……。
どうしてここにいるんですか?」
「どうしてって、冷たいな。
1年近く合ってないだけでそんなにそっけないなんて驚きだ」
相変わらずキラキラ笑ってる。
その笑顔が眩しくて、私はいつも目を細めてた。
「弟がさ、このクラスにいるはずなんだ。
彼女が出来たって聞いたから見せろって言っても見してくんないわけ。
だから学校に押しかけてみた」
「……そうなんですか」
弟……いるんだ。
本当に、私って先輩のこと何にも知らなかったんだな。