君との期待値
恋×気持ち
忙しなかった場面は終わりを告げ、ゆっくりした時間が流れ始める。
体育館の中から漏れてくる演奏が私の慌ただしかった心を落ち着かせた。
仕事が終わったも同然な私は立ち上がり伸びをした。
「ん~。始まったみたいだし、そろそろ私たちも部活へ行きますか」
長机の隣に座った少年を見下ろしながら言う。
今日はまさしく発表会。
文化部の発表とは言ってもメインはやっぱり体育館で開かれる演奏やら演劇やらで、
赤羽くんを抜いた私と拓真は入場の受付をしていた。
赤羽くんは1人で人が来るか来ないか分からない園芸部の庭にいる。