ミライのはなし
ボク達は、向かい合いながら

一つのCDウォークマンから延びたイヤホンを

片方ずつ耳につけて

音楽を聴いていた

いまどきCDウォークマンは古いって皆は言うけど

ボクは、この、柔らかい感じがするシルエットが大好きだった

そして、

そんな優しい形から流れ出てくる、激しいサウンドも大好きだった

<パンクロック>

商業主義にはしった<ロックンロール>へのアンチテーゼとして生まれた音楽

言い方を変えるなら

「教室」という、ちっぽけな世界にすら馴染めず

孤立していた僕を

そんな僕を「励ましてくれる」ような、そんな音楽
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