ゆっくり愛して



ちょっとの時間触れ合っていた唇もゆっくりと離れて、あたしは少し恥ずかしくなって俯いてしまった。



やっぱりキスって何度しても慣れないし恥ずかしい。


けどこんなにも気持ちよくて幸せな気持ちにもなれる。



不思議だなあ~



「ごめん、家の前で…。」


「へ?…あ、だからしゃがんだんだね。」


あたしがそう言うと渉君は頭をくしゃくしゃしながら、バツの悪そうな顔をした。



「大丈夫だよ?今の時間は誰もいないし。」


結構心配症なのかな?

なんて思ってあたしは一人クスクス笑ってしまった。




「…何だよ。」


「何か渉君でも可愛いとこあるんだなって。」



今までなかった渉君をひとつ発見できた感じがしてすごく嬉しいかも。




「ばーか…でもごめんな。我慢できなくて…。」



そう言って立ち上がろうとした渉君の袖をあたしはちょこっとつまんで



「あたしは嬉しかったよ。」



って何か自分で言っておいて少し恥ずかしい。


わあああ////



赤くなりそうな顔を押さえて俯く。



「…それは反則。」



一度立ち上がろうとしていた体をまた戻してしゃがみこむ渉君。



その顔はきっとあたしより赤い。



片手で口元を覆っていてもわかるくらい。



そんな渉君を見てあたしは


「…もう1回したいな。」


気付けばこんなことを口にだしていて…。



そんなあたしの言葉に渉君も微笑んであたし達は本日2度目のキスをした。






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