ゆっくり愛して
今日は土曜日。
あたしはというと…
今、渉君の家に来ています。
実は昨日あの後…
「なあ、明日俺家来ねえ?親いないし…。」
って誘われて…
あたしは真っ赤になりながら頷いた。
鏡を手に取り最終チェック。
うん、大丈夫!
スカートをパンパンと叩いてあたしはインターホンを押した。
渉君の家に来るのは今日が初めて。
多少…てゆうかかなり緊張してるけど…
大丈夫。
「香保!」
渉君がドアから顔を覗かせると、こちらに歩いてきた。
相変わらず私服もかっこいいななんて見とれていると。
「どうぞ?」
門を開けてくれた。
「ありがとう。」
少し広めだと思われる庭はお花でいっぱい。
ちょっと見とれてしまうくらいキレイに手入れされてあったんだ。
お花のほかにも可愛い置物があって、なんとなくレトロ感があるそこはとてもオシャレ。
足を止めてるあたしに気付いた渉君は
「ああ、母さんが好きなんだ。植物とか。」
おかげで家中花だらけ。
そう加えて少し呆れたように笑った渉君。
きっとお母さんも可愛い人なんだろうなって想像できてしまった。