恋だったよね
ハルトとミナは先に廊下を歩いていた。
「マヤちゃんって…強いよね」
ハルトは何も言わずに歩く。
「私…何も出来なかった。先生の言葉にはもちろん、腹が立ったけれど…。何も出来なかった」
ドアを開け、先生に詰め寄っていくマヤの姿を思い出す。
ミナは下を向いて歩いた。
「…俺も同じだよ」
2人は教室へ入った。
何の音もなく、ただ2人の足音が響いていた。
ユウキ君を助けたいのにどうして勇気が出ないんだろう。
ユウキ君がマヤちゃんの事を見る目…。
ミナの気持ちは複雑だった。