恋だったよね
あっという間に日が落ち、夕方になった。
「みんなで花火したいな。買い出しジャンケンする?」
ユウキが言った。
「いいよ、そんなに遠くないから私買ってくる!」
「マヤ一人だと危ない。俺も行く」
マヤとハルトは買い出しへ向かった。
マヤとハルトが歩く姿をユウキは見ていた。
「ハルト…ごめんね。付き合わせちゃって」
「別に。マヤ一人だと危ないだろ」
マヤはこの前のハルトの瞳を思い出し、気まずくて俯きながら歩いた。
ふとハルトに腕を掴まれた。
「ちゃんと前見て歩けよ。電信柱にぶつかりたいの?」
マヤは電信柱にぶつかりそうだった。
俯いて歩いていたから気付かなかったのだろう。
「ありがとう…」
ハルトに掴まれた腕が熱かった。