恋だったよね


ユウキとミナは砂浜に座り海を眺めていた。




「夜の海って恐いけど好き…。見てると吸い込まれそうになる…」




ミナは独り言のように呟いた。




「…ユウキ君さ、マヤちゃんの事好きでしょ」




ミナは笑顔で言った。
唐突すぎる話にユウキは戸惑っている。




「え…?どうして…」




誰にも言ってないのに…、とユウキは驚く。




「わかるよ。ずっと見てたから…」




「…ミナ、それって…」




ミナはユウキの方を見ないでずっと海を眺めていた。




ユウキはそれ以上何も言えなかった。
ミナの言葉の意味がわかったから。




波の音が悲しく、寂しく響いていた。




波の音に混じって足音が聞こえる。
2人が帰ってきたんだ。





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