逢いたい時に貴方はいない
「ねぇ。
少しくらい
かまってくれたっていいじゃん」


そんな
子供のようなMailを送った。


彼からの返信は
当たり前に無かった。



でも、数日後。

久しぶりに電話がかかってきた。


『おお、元気してたかぁ?』


「元気なわけないでしょ!」


(ハッキリ言って、可愛くないよね、)



本当は声が聞けただけで
嬉しいハズが、
喜んだら、
なんだか負けな気がして
素直に喜べなかった。


好きすぎて、
追うばかりだったから
どうしてもそれを
見透かされたくなくて…

追ってしまったら、
離れていってしまいそうで…


気持ちとは反対の言葉ばかり
言ってしまう…


ヤキモチなんて
知らないフリをして

大人な女を演じていた。



『本当に忙しいんだよ~そんな怒るなって』

「怒ってないよ、別に」

『X'mas何欲しい?』

「別にいらない」

『X'masまでに考えとけよ』

「欲しいもんなんてないもん」

『いいから、考えとけってぇ』

「なんでもいいの?」

『おお、おお、いいよ』

「じゃあ、時間作ってよ」

『ん?』

「X'mas私と会う時間作ってよ」


忙しいのは百も承知で
わざと無理なコトをいった


『あぁ、仕事だかんなぁ』

「そうやって、本当は違ったりしてね」

『マジ仕事だって』

「あんまり、そんなに放置してると私いなくなっちゃうからね」

『おお〜随分強気だねえ』

「当たり前でしょ」

『そうか、そうか』

声色一つ変えないで
彼が言うから、
余計に腹がたった。

「私がどっか行っても
なぁ~んとも
思わないでしょ~ね」

『言うねぇ~』

本当は、
『お前が大事』って
そう言って欲しいのに…

彼からは
私の望む言葉は聞けなかった。

「私と同じ気持ちじゃないなら、
一緒にいても意味ないじゃん?」

『まぁまぁ落ち着けって…』

言ってょ。

離れたくないって。

言ってょ。

お前だけだよって。

ねぇ、言ってょ…





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