逢いたい時に貴方はいない
部屋に着くと
玄関入ってすぐの所にプレゼントらしき紙袋があった。

なんだか部屋に入れないように言われたような気分になった……


部屋を見渡すと
全然部屋は使われていないような感じがうかがえた。

着替えて すぐに出掛けたような洋服が乱雑に置かれていたり…

私が来ていた頃の
面影は もうないように感じた……


私物は わざとらしいほどの勢いで玄関に乱雑に置かれたごみ袋に捨ててやった。


それでも…
ムシャクシャした。


逢いたいな……

最後になるからこそ、逢いたいな……

いや…

まだ…期待している私がいる……


鍵を返すって言ったら引き留めてくれるんじゃないかって……


まだ期待している。


ようやく、紙袋を開ける気持ちになり…

ゆっくりと紙袋をのぞいた。


うんと、前から用意されていたように感じたのは気のせいかな?


キレイに包まれた箱はなんとなく部屋の香りが移っていて、
真新しい包装紙の匂いがしなかったから、

私と急に別れようとしたわけじゃなく
X'masには私と一緒に過ごしていたのかもしれない…なんて、後悔しながらも また期待した。


箱を見ながら
彼に電話をした。


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