逢いたい時に貴方はいない
夜9時になると
池田さんは店の前に現れた。

いつもよりもめかし込んで見えたのは
私の自惚れかな?

CLOSEの看板がぶら下がったドアを開けると…
昨日まで悩んでいたのが嘘かのように、
何故か高鳴る胸を感じていた。

「こんばんは。」

『こんばんは、もう行けるかな?』

「はい。」

さっきまで秋山さんの誘いを断った事に後悔しはじめていた事なんて忘れてしまうくらい……なんだかワクワクした。


私の心に変化が起きてきていた……


アイツとは違う
とても上品で紳士な池田さん。


アイツとのギャップなのかな?


このワクワクは……


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