逢いたい時に貴方はいない
雑誌の内容は
とても簡単な内容だった。


【一流ヘアアーティスト!!三流キャバ嬢に貢ぐ】

【騙された若きアーティスト!!】

【将来を棒にふったカリスマ】


…言いたい放題だった。

誰が
調べたかはわからないけど…
こんなこと業界人なら
あっという間に掴める情報なのだろう。

そこには、
私の今の職業ではなく前職のキャバ嬢を面白可笑しく書いてあった。

本当は、
キャバ嬢であった事に少しは誇りを持っていた。

一流企業とは違って、
入るのは簡単だけど、トップを続ける事は容易ではないし、誰にでも出来る事ではないからだった。

そんな誇りも、
今となっては馬鹿馬鹿しい。


キャバ嬢であった事さえも後悔せざるおえない状況だ。

キャバ嬢という職業を選んだ時
こんな事を想像しただろうか…


出来るわけない。





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