逢いたい時に貴方はいない
『コチラが私を助けてくれた玲奈さん』


『で、コチラが私の彼の秋山さん』


私の彼……

皮肉にも こんな形で逢うなんて……


どこまで行っても
彼とは結ばれない運命なんだと確信した。

『ちょっと~二人ともどうしたの?固まってるよ~』

その声に ハッと我を取り戻した。


「あ、ど~も。」

初めて会ったフリをした。

彼女に悪いと思ったから……


『玲奈』


え……?

秋山さん?

私の名前を呼びかけた彼に動揺した。

『……さんって言うんだ』

そう言って彼は目を反らした。


当然な行動だと思いながらも 少しガッカリした。



『じゃ、行こっか』

彼女が先頭きって歩いた。








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