逢いたい時に貴方はいない
その夜の食事は
どんな味がわからないくらいで…

何を食べて

何を話したかも

よくわからなかった。

頭の中は
ただ
彼には啓子さんという彼女がいたんだ。
……と、そればかり考えしまっていた。


自分がつい最近まで婚約していた事なんて棚にあげて
彼に彼女がいた事ばかり考えるなんてサイテーだな。


次、逢える機会があったら必ず 彼に確認しようって、

今でも好きだって伝えようって、

決めていたのに……

私は また ウジウジしていた。


この状況で 出来るわけないじゃん。

…なんて都合のいい言い訳すら作っていた。



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