逢いたい時に貴方はいない

□距離

次の日から、
秋山さんは2時過ぎに毎日来るようになった。

のぞみが、まだ店にいる時は、
私は山崎さんの指名という名目で、山崎さんの隣に座った。
のぞみが、早く上がった時は、
私は秋山さんの指名として、秋山さんの隣に座った。

のぞみが指名で入る時は二つ離れた席から私に目線を合わして来る秋山さん。
私が指名で入る時は合えて私とは話さずにテーブル皆で話そうとする秋山さん。
何が良くて私をよんでいるのか、わからなかった。

昔から私は嫌いな人や苦手な人の考えている事に興味を持たなくて根本的考えが合わないし違うと思っているから知りたいともわかってほしいとも思わなかった。
秋山さんは苦手だったハズなのに 今は、
何故か…
秋山さんが私を指名した理由が知りたいと思っているのは
なんでだろう?

そう思うと
不思議でしょうがなかった。


そんな時間が、過ぎていく中、
ストールが突然消えたり
ドレスの肩ヒモがきれかけていたり
色々不思議に感じる事が多くなって来ていた。


そして、店長の計画は通らなくなってきたのが肌で感じるようになって来ていた。

それもその筈、
店長の計画は最初から計画通りにはいくハズがなかった…

同じ店の中。
のぞみが いくら早く上がったとしても、周りのキャストから見たら、明らかに指名が替わったと一目瞭然。
そんな噂を、好きじゃない人なんていない訳で…だいたいのキャストは何も触れずにしておきながら影では、酷い噂を流したがるものだった。

そして、
その噂が私の耳に入るのには、そんなに時間はかからなかった。




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