逢いたい時に貴方はいない
□出逢い
「えーっ!!店長!
2時で上がりって
言ったじゃん!」
『悪いねぇ。
ラストまでの子が
具合悪くて
帰っちゃたんだよね。
あと10分でいいからさぁ
残ってくれない?』
(この馬鹿店長!
今日は2時に帰るって
あれだけ言ってたのに
なんなのよ!)
「そうやって、
ラストまで
どうせ引っぱるつもりでしょ?」
目を細めて睨みつけた。
『いや!
絶対10分で帰すから!
あと10分で向こうの席が
チェックになるから。
そしたら女の子余るから
帰れるようになるしさっ』
(ホントかよっ!!
いっつも、そうやっていっといて ダラダラすんじゃんかっ!)
「え~~~~~」
『30分ブンの時給
つけとくからさ』
(え?マジで?)
「じゃぁ、いいよ。
でも、必ず10分で帰してよ!!」
念を押すように
強く言い放った。
『ありがとう~
助かったよ~~』
(調子のイイ声出しちゃってさっ)
渋々、
私は馬鹿店長の
案内するテーブルに
つくことにした。
(だいたいねぇ!
私ってば
最近フリーのお客さんに全然つかないんだからね!馬鹿店長め!
フリーのお客さんと
どうやって話したらいいかなんて
忘れちゃったわよ!)
なるべく、すぐに帰れるように
場内指名も入らないように
当たらず
触らず
面白みもなく、
終わらせちゃうゾ!!!
『失礼します。
ご紹介します。
カンナさんです』
いつも通りに、
Boyが私を紹介する。
「ドウモ~。
カンナです。
失礼しま~す」
軽く会釈し
顔を上げたそこには、
ジャニ系のイケメンと
顔はマズクないけど、
”イケメンに女もってかれてそうだなぁ~”
と、思ってしまう感じの
リーマン風の
2人が座っていた。