逢いたい時に貴方はいない
彼の部下くん達は、
私を見るなり
興味津々に目を丸くしながら、話しかけてきた。


「お姉さんは、先輩の女ですか?」


三人に スッポリ囲まれて、六つの目が私に注目した。


私は 彼を横目でチラッと見た。


相変わらず、彼は女の子に肩を貸したまま、笑顔で周りと会話をしていた。

こっちなんて、
見向きもしないで…。

そんな彼に、
もう一度、腹が立った私は、三人に笑顔でこう返した。


「違いますよ~。私はいつも、この店で呼んでいただいているだけですよぉ」


すると、三人は
さらに目を輝かせて前のめりになって私にこう言った。


『彼氏いるの?』


『好みのタイプは?』

『このあと、どっか行かない?』


普段、どんだけ女に縁がないのか、と 聞きたくなるほどの勢いだった。


答える隙もなく…


『お姉さん、エロそうだよねぇ』


はい、はい。
確かに…毎度言われます。

私の何処が
エロそうなのかは、
未だに理解不能だけどよく言われるのは事実だったりする。

でも、エロそうなだけで

エロいわけではない!
と、自分では思っている。


余計な事を考えていると、

三人は、さっきよりも明らかに
私との距離を縮めた。

『マジ タイプだわ』

と、一人が私の腰に手を回そうとした。


『おい!』


え?



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