逢いたい時に貴方はいない
本当は、

「くっつかないでよ」って、女に言ってやりたいし、

「私の事、どう思ってんのよ!」って、彼にも言ってやりたい。

…だけど

ここは、仕事場。

そんなこと、口に出来るわけがなかった…


『お姉さん、実はこっちの席のがいいんでしょう?俺らと早上がりしてトンズラしちゃう?』

離れたのも 束の間で今度は肩に手を回してきた部下くん。


「っつうか、やめてくれます?この手!」

私は両手で 部下くんの手を掴んでどかそうとした。

その瞬間 突然 胸元に違和感を感じだ。


!!!


もう一人の部下が
私の胸をワシズカミしていた。

っっ!!

ビックリしすぎて、
声がでなかった…


ガラガラっっ
ガシャンっ!ギー…


テーブルをずらす音と同時に何個かグラスが割れた音が聞こえたかと思うと 

すぐ、目の前に
秋山さんが立っていた。


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