逢いたい時に貴方はいない
「行かない。」
『あ。そう』
彼はピクリとも動かず言った。
何これ!?
やっぱり違和感じゃない!
私は彼にとって
ドウデモイイ存在なんじゃないの?
黙り続けるこの空間に
やっと違和感を感じたのか、
彼が顔を上げてこう言った。
『どうしたんだ?』
私は 怒りを
抑えるのが精一杯だった。
いや…
もしかしたら、
抑えられてなくて
メチャクチャ顔は
ヒキツってたかもしれない。
「楽しんでたみたいだね。」
彼は なんの事か
全くわからない様子で
まだ起き上がりもせず冷静だった
『なにが?』
「なにがって、
私がいない間
楽しんでたんでしょ?
私の事なんて待ってないじゃん」
『は?』
「だから、
そっちへは絶対行かないから!」
私の堂々とした態度に
何かを握られたかのように
彼は少しキョドった様だった。
『あ。そう、
じゃ俺寝るわ、疲れてんから』
私に背を向けた状態で
寝につこうとする彼に
私は極めつけの一言を
言ってやった。
「なに、あれ。
私とはゴム使わないのにね、
自分が使ってないゴムまで
掃除するなんて、
そんなに人間出来てませんから!」
やっと彼が
ベッドから起き上がったのは
言うまでもないだろう。
使用済みの証拠現場を指差して
私は言ってやった。