RISK~恋患い~
釣られた魚
「ハァ~~~!?
何で私がぁあああ!?」
綺麗かつ広いリビングで、品の欠片など一切ナイ声が木霊した。
仕事を終えた私の現在地は、凡人には無縁な豪華マンションで。
とっても美味しいお料理と、目の前の美人な親友の上目遣い。
それらに、すっかり騙された…!
華やかな空気を台無しにする、叫び声はイビツだとしてもね?
「なんっで、こんな平々凡々なヤツが…。
パーティーなんかに出なきゃいけないの!?」
お腹が満たされた私に放たれた、彼女の一言がキッカケだ…。
話によれば、来週の土曜日に取引先主催のパーティーが行われるらしい。
でも、それはパーティーという名のコンパらしく…。
「お願い、未月~!
ずっと父を説得してたんだけど、もぉ全然ダメで。
今の私には頼れる人が、未月しかイナイの!」
「う・・・」
上目遣いプラス、ウルウルと瞳まで潤ませる有奈に困り果てた。