RISK~恋患い~
平凡
「未月~、こっちのサンプル片付けてぇ!」
ひと際大きな声が、狭いフロアに響き渡った。
聞こえなかったと言わせないために、ワザと…。
「今日の入荷分は奥へ詰めてね?」
「はぁ~い…っと…――」
さっきの声の主は近藤店長で、そして呼ばれたのは私だ。
目の前の段ボール箱を、生返事とともに持ち上げた。
「重い・・・」
見た目からして、重そうだったケド。
実際に持つと想像以上で・・・
でも、男手なんか一切頼れナイ職場だし。
一番の若手は、この私だから。
力仕事は必然的で、もう役回りとなっている。
だから今日もまた、荷物を抱えて収納庫へと向かうの…――