RISK~恋患い~
私を捕獲したままのヘンタイが、それを邪魔するの…!
どうにか身体を捩ったり、捻ってみたりしても。
「逃げられると思ってんの?」
その度に、耳元で幾度となく低い声で囁かれて。
そのうえ腰に置かれた、手の動きにも阻まれて。
私の身体は、もう抵抗出来ないと勝手に悟りを入れたのか。
自分の身体なのに、自身の指令を聞いてくれない状態だ…。
「今日は初めて楽しみだ…。
思わぬ収穫物があったしなー」
勝手な独り言を呟かれたうえ、視線は私の胸一点へと注がれて。
「なっ…、ヘンタイ…ッ!」
「クスッ――」
悔し紛れに飛び出た言葉すら、一笑でかわされたし。
「気の強い女って、好みだし」
「っ・・・」
最後の一撃と言わんばかりに、囁かれた言葉は。
鼓膜を揺らして刺激する、どこまでも甘く誘う声色だ。
そのせいで情けなくも、このヘンタイの手に救われた私。
ドキッとして、腰が抜けそうだったとは。
もちろん、絶対に言わないけどね…!