RISK~恋患い~
「っ、早く離して!」
もう一度牽制するために、虚勢を張って念を押した。
ちゃんと、パーティーに参加したという証拠を残さなきゃね。
何のために、ヘンタイからセクハラを受けたのか分からないのに…。
「そんなことか・・・
この俺がいるのに、ワザワザ必要あると思う?」
「・・・はっ?」
どれだけ自信家なの、このヘンタイは?
「とにかく、必要ないから。
さぁ行こう…、未月――?」
訝しげな表情をしていれば、フッと笑ったヘンタイ。
腰に置かれていた手が素早く、今度は肩へと回されて。
「なっ…、離してよ!」
「あれ…、顔赤いけど大丈夫?
未月ちゃん・・・」
「っ~~」
低音ボイスを響かせ、ドサクサ紛れに近づいて来た。
整ったヘンタイの顔と距離のせいで、不覚にもドギマギする…。
フッと嘲るような笑みを浮かべた、ヘンタイに捉えられて。
バクバクと煩い心臓に、神経が集中していたからか。
この時の私はソレらのせいで、全く気づいていなかった。
ザワつく周囲の視線を、一身に浴びていたコトなんて…――