RISK~恋患い~
ヘンタイのうえに、ナルシストまで付加すべきだ。
いや…確かに、極上に“顔だけは”良いけどさ?
そんなヤツに呆れ顔を向けていると、不意に視線が外れた。
「まぁ、流石に鬱陶しいな…」
ヘンタイが、チッと軽く舌打ちをして周りを一瞥すれば。
射るよう恐ろしい視線は、途端に消えて無くなった。
何ですか、この一掃処分効果は…――
オマケに、この変わり様って何で…?
「…未月、覚悟してろよ?
これで、もう逃げられないぞ」
「・・・はぁ!?」
今度は呆気に取られていると、再びヘンタイの瞳に捉われた。
どうしてコイツの発言は、すべてが意味不明なの…?
「クスッ…、知らない方が楽しめる」
「意味分かんない…!」
「さぁ?」
余裕綽々な態度で、意地の悪い微笑を浮かべるヘンタイ。
こんなヤツの考えなんて、汲み取れる訳ナイ…!
悔しさからムダな対抗意識を燃やし、キッと睨みつけていた。