RISK~恋患い~
ヤツの正体と捕獲。
そんな私の反応に、満足げな表情を浮かべるヘンタイ。
すると、またしても突然に周囲をぐるりと見渡し始めた。
またココでも、解放してくれずに…!
「さてと…―――
皆さんご覧の通り、俺はもう決めさせて貰ったので…」
言葉を止めて間を置くと、私に目を向けるヘンタイ。
「未月いいな…、これでもうお前は・・・」
あれ・・・?
違和感を覚えたせいか、私はいつしか傍観者になっていた。
だって私と話す時とは違う、威圧感のある声色だったから…。
だけど、ココでも最も大事なトコロが抜けていた。
“人の話を最後まで聞きなさい”と、昔から注意されてきたのに・・・
「…いいよな?」
「っ――!」
考え事をしてたトキ、耳元で響いた妖しい低音ボイスのせいで。
私は条件反射のように、コクコクと頷いてしまったのだ。