RISK~恋患い~
話すことを諦めた私は仕方なく、無言で有奈を見つめた。
私はね?婚約なんて望んでないの…!
だから、親友なら私の気持ちを察してよ…――
「あー、それなら安心しました。
未月でよければ、どうぞ貰ってあげて下さい。
未月、良かったね?念願の玉の輿に乗れて…!
“英コーポレーション”ていう会社、聞いたことあるでしょ?
英さんはね、そちらの社長さんだから…!」
な、なんですと・・・?
私がいつ、玉の輿に乗りたいって言った?
心配や救助をされるどころか、ヘンタイへ献上されてしまった。
オマケにね、ウソじゃないの?
このヘンタイが、あの英Co.の社長って…!
「フッ…、玉の輿かは分からないけどな…――
未月、全霊で愛してやるから覚悟しろよ?
それじゃ、俺らはこれで…」
「はい、よろしくお願い致します。
未月、本当におめでとう…!じゃあねー」
驚愕の事実にポカンとする私をよそに、勝手に話を終えていた2人。
有奈は可愛い笑顔を向けると、ヒール音を鳴らし去ってしまった。
ゆ、有奈ぁ…、カムバックしてぇええ…!