RISK~恋患い~

崩れる音



「未月ちゃん、お先~」


「ハイッ、お疲れ様でした!」


先に帰宅して行く先輩たちと、次々に挨拶を交わす。




今日の私の勤務時間は、閉店するラストまでで。


スーパーの閉店時間まで、あと30分もナイ状況。



この時間帯は、常連さんが愛用品を買いに来る事はあっても。


ご新規のお客さんはカウンセリング等もあるせいか、まず来ない。


だから、新人に近い私1人でも大丈夫なのだ。


・・・一応、4年目だしね?




そんな静かな店内に、パラパラとテキストを捲る音を響かせていた。



いま見ているのは、スキンケア成分表というテキスト。



最近の女性はメイクはおろか、成分にも詳しい人が沢山で。



端くれでも、BA(ビューティー・アドバイザー)を名乗る身。



次々開発・発見される新成分を覚えるのは、正直言って大変だけど。


聞かれても答えられないなんて、プロには許されない。




< 6 / 77 >

この作品をシェア

pagetop