RISK~恋患い~
崩れる音
「未月ちゃん、お先~」
「ハイッ、お疲れ様でした!」
先に帰宅して行く先輩たちと、次々に挨拶を交わす。
今日の私の勤務時間は、閉店するラストまでで。
スーパーの閉店時間まで、あと30分もナイ状況。
この時間帯は、常連さんが愛用品を買いに来る事はあっても。
ご新規のお客さんはカウンセリング等もあるせいか、まず来ない。
だから、新人に近い私1人でも大丈夫なのだ。
・・・一応、4年目だしね?
そんな静かな店内に、パラパラとテキストを捲る音を響かせていた。
いま見ているのは、スキンケア成分表というテキスト。
最近の女性はメイクはおろか、成分にも詳しい人が沢山で。
端くれでも、BA(ビューティー・アドバイザー)を名乗る身。
次々開発・発見される新成分を覚えるのは、正直言って大変だけど。
聞かれても答えられないなんて、プロには許されない。