RISK~恋患い~
あー、もう!その澄ました顔がムカつく…!
「な…何なのよ、ココは!」
鼻息荒く、声を必死に荒げながら床下を指さした。
バッキンガム宮殿からの脱出に、成功したのも束の間で。
今度はシャンデリアが煌めく、中世ヨーロッパ建築まで。
どうして、連行されなきゃなんないの…!?
「フッ・・・」
すると怒り心頭な残念顔に対し、不愉快な笑みを零したヘンタイ。
「言うまでもなく、俺のマンションなんだけど。
今日からは2人の新居、だろ?」
「はぁああ!?」
眼前で対峙していた状況から、不意にグイッと肩を引き寄せられた。
「言っただろ・・・?
俺が全身全霊で愛してやるって…」
「・・・なっ…」
鼓膜を揺らすのは、低さと甘さが共存する声色。
鼓動を早めるのは、勝手なヘンタイの愛の囁き。
これらすべてに抵抗出来ないのは、きっと。
すべてが悪魔の囁きに感じたせい、だよね…?