RISK~恋患い~
だから私は、絶対に見たりしない。
その実に、自ら触れたりもしない。
こんな身勝手極まりない、ヘンタイには・・・
その時ヘンタイが、ギシッと音を立てソファから立ち上がると。
私が座っているソファへ、少しの沈みとともに身を沈め直した。
必死に目を逸らそうと俯いていた、私の腰ごとグイッと引き寄せる。
「未月は、俺の事がキライか?」
「っ――」
抱き締められた瞬間、そっと響いた優しい声によって。
情けなくも、ドキッと高鳴ってしまった心臓の音。
ええ…、き、キラ…イに決まって…――
そう曖昧な否定を考えている、中途半端な私は既に。
ヘンタイの毒が回って、侵食され始めているのかも――