RISK~恋患い~
ついでに、お嬢様なのにソレを鼻にかけていないから。
見た目の華やかさとは違う、飾らない人柄が大好き。
こんな平凡すぎる私とずっと、親友で居てくれるしね…――
「閉店間際に、突然ゴメンっ!
未月…この後、予定ってある?」
「ないわよ…、もちろん暇人だしね」
バツが悪そうに謝った有奈に、苦笑して返すしか無い私。
長くお気楽に付き合ってた良太と、半年前に別れてから。
いつも埋まっていた予定は、すっかりガラ空き状態で。
かと言って、女友達にしてもデートやコンパに忙しいから。
平日はサッと直帰するしかない、しがない暇人だ。
聞かれるだけ、虚しいよ・・・
「でも、何かあったの?
有奈が連絡もナシに来るなんてさ…」
「あっ…う~ん、それはあとで。
じゃあ、待ってるからウチに寄ってね~!」
苦笑を浮かべたうえ、何かを含んだような物言いで。
そのまま踵を返すと、ヒール音を響かせ出て行った彼女。
私は疑問が解けないままに、その後ろ姿を目で追っていた…。