一枚の絵
茂美は手術室に運ばれ、俺達は、手術が終わるのをただただ待っていた。

そのまま、どれぐらい時間が過ぎただろう。

手術は終わり集中治療室に茂美は運ばれたが、両親だけが部屋に入り、俺は外で待つしかなかった。

やがて、朝を迎えると両親が俺を部屋に呼んでくれた。

「茂美、おい、茂美」

茂美に駆け寄って呼びかけると、少しだけ目をあけて

「ひ・で・と・し」

と、かすかにつぶやいて、再びゆっくりと目をとじて息を引き取っていった。

俺は、茂美の手をとってぎゅっと握りしめた。

「茂美・・・・・」

涙が溢れ出して、たまらず大声で泣き叫んでいた。

そばで、茂美の両親も泣きくずれていたがどうしていいかわからず、ただ、涙が止まらなかった。

そんな俺の頭の中で、茂美の俺の名を呼ぶ声がこだましていた・・・・・。


















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