一枚の絵
それから、2年の時が過ぎた。

今、俺は個展を開いている最中だ。

茂美に似た少女の絵を見てから、俺はもう一度絵を描いてみる気になった。

描きかけの茂美の絵をもとに出会った時の茂美を思い出して描いて、コンクールに出展した。

それが見事に賞を取り、何とか個展を開けるぐらいになり、少しだけど絵を買ってもらえるようになった。

俺はあの絵を見るまでは、ずっと彼女の死のショックが大きすぎて無気力状態になり、俺の中で時が止まってしまっていたのかもしれない。

でも、あの絵を見て、もう一度、茂美と過ごした日々を振り返ることによって、楽しかった時のことを思い出し、茂美の死をきちんと受け止めることができ、本当に茂美のことを思い出にすることができたんだ。














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