一枚の絵
そんなことを考えつつ、また順番に絵を見ていった。

これで、最後かな?

そんなに、広くないとこだったので、作品数も少ししかなく、すぐに見終わってしまった。

まあ、少しは時間つぶしになったし、帰るか。

さっきの懐かしいような変な感じも気のせいだったようだし。

そう思いながら、帰ろうとしたときだった。

窓から日が射し込み、その光はスーと部屋の奥にまで伸び、一枚の絵を照らした。


ん?何だ?
こんなとこにも絵があったのか。
暗くて気がつかなかったよ。

どんな絵かな?

と、近づいて見てみると。

…え!?

俺は、息を呑んだ。
そして、ただ呆然と立ちつくしてしまった。

なぜなら、それはとてもかわいい笑顔の女の子の絵で。
前の彼女にそっくりだったからだ。

「茂美・・・」

思わず、かすれた声でそうつぶやいていた。

すると、突然、部屋の時計が鳴り出した。

ゴォーン、ゴォーン

という音に包まれ、俺の思いは悲しみと共に、過去へとさかのぼって行った。













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