一枚の絵
大学2年の春。

コンクールに出展するために、俺は、毎日のように近所の川辺へ出かけて、絵を描いていた。

でも、何枚か描いてみたけど、どれもなんかピンとこなくて。
途中でやめてしまった。

今日も、描きに来てみたが、全然、進まなくて。
ため息ばかりついていた。



「はぁ・・・」

「どうしようかな。どこか別の場所でも探した方がいいかなあ」

そうつぶやきながら、辺りを見回すと、一人の女の子が目についた。

澄んだ瞳のとてもかわいい女の子で。
そよ風に身をゆだねながら、そっと川のほうを見つめていた。

俺はなぜか、その女の子を見たとたん、何かに惹きつけられたように、夢中でその女の子をスケッチブックに描いていた。





















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