蒼い瞳の君達へ~ last blue eye ~
翼の瞳から涙が溢れた


「…見るな」


「はい」


目の前に差し出された


蝶の刺繍がしてあるハンカチだった


「これ大事な物だから今度返してね。じゃあね」


女の子は帰ろうとした


「待って、君の事何も知らないから返せないよ」


「私は知っているよ。で、またすぐに会えるしね、先輩」


「名前だけでも教えて」


「鈴 じゃあね」

「鈴…」


女の子の姿が見えなくなると


ハンカチをポケットに入れて家まで歩いた
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