ーー愛してるーー
ガラッ
誰もいない教室。
みんなより一足先に新しい教室で席につく。
一番後ろの端。
ラッキーだな、私。
そんな事を思っていたら急に扉が開いた。
ビクッ
そこにはスーツを着ている若い男の人が立っていた。
「?誰かいる?」
「…」
「生徒だよな?名前は?」
「…仙崎です」
「仙崎ね、早くね?」
その人は笑顔が眩しくて暗闇の中に居た私にはいやになるような人。
見た目的に背が高くて髪が焦げ茶で先生にしたら若い。
「新しく赴任してきた小山隼人、よろしく」
…聞いてないっつーの。
「はあ…お願いします」
「担任だから、このクラスの。で数学担当」
ペラペラと話始めた先生。興味ないけど聞いてるフリをしていた。
「…てつまんなかったよな?緊張してんだよ、これでも」
「手に人書いて食べたらいいんじゃないですか?」
「あっ!!そう…?」
そう言ってやり始めた。
いやいや、冗談だって。
「解けてきた、ありがと」
私に微笑んで教室から出ていった。
あんな奴に担任なんか勤められる訳?
この時の私は何も分かってなかった。
この人の事もこれからの事も。