不思議トワエモア

「そ、その、何ていうか、あの…」


 ちょ、噛みすぎでしょ。

 鹿島君は両手をあわあわと動かし、口をぱくぱくさせ、軽いパニック状態に陥っている模様。


 何だ、この面白い生き物は。


 また新たな鹿島君の一面を垣間見れた気がして、不思議と私は笑いが込み上げてきた。

 仕方ない、まずは彼を落ち着かせよう。



 私は鹿島君に近付く。

 彼は一瞬ビクッとしたが、そんな事はお構い無しに私は「落ち着いて」と一声掛け深呼吸をしてみせる。

 すると、彼は私に合わせて深呼吸を始めた。

 暫くそうしていると落ち着いてきたのか、何時もの様にぼそぼそと「…ごめん」と本当に申し訳なさそうに謝ってきた。
< 11 / 18 >

この作品をシェア

pagetop