不思議トワエモア
「そ、その、何ていうか、あの…」
ちょ、噛みすぎでしょ。
鹿島君は両手をあわあわと動かし、口をぱくぱくさせ、軽いパニック状態に陥っている模様。
何だ、この面白い生き物は。
また新たな鹿島君の一面を垣間見れた気がして、不思議と私は笑いが込み上げてきた。
仕方ない、まずは彼を落ち着かせよう。
私は鹿島君に近付く。
彼は一瞬ビクッとしたが、そんな事はお構い無しに私は「落ち着いて」と一声掛け深呼吸をしてみせる。
すると、彼は私に合わせて深呼吸を始めた。
暫くそうしていると落ち着いてきたのか、何時もの様にぼそぼそと「…ごめん」と本当に申し訳なさそうに謝ってきた。