不思議トワエモア

「…時間は大丈夫……葵さんも行く?」

「え?」

「っ、いや…あの…」

「……!」


 一体、彼は、どういうつもりなんだ。

 もじもじしながら照れ臭そうな、まるで恋する乙女の様な彼がとてつもなく可愛く見えて。


 それが───萌えた。


 萌え、萌え、萌え───……。


「萌え?あっ――」


 そうか、これが萌えって気持ちなんだなぁー…なんてくだらない事で妙に関心していると、薫が耳元で囁いてきた。


「んふ、のっぽ君ったら葵にぞっこんね!」


 ちょいと、薫さん。何か勘違いしてますぞ。


「ちょ、薫はまた変な方向に考えて…」


 その発言を訂正させようとする私に、薫は先手を打つように鹿島君に衝撃的な言葉を送ってしまった。
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