不思議トワエモア
──数分後。
授業中メガネ派の私には、ここからグラウンドにいる人の顔を判断するなど不可能だということが分かり、私は捜すのを諦めることにした。
澄み切った青空で飛行機雲を発見し、つい「あっ」と声に出す。
と、そこでギギーッと屋上のドアが開く音が耳に入った。
えっ?
私は驚いてビクッと身体を揺らし反射的に振り向く。
そして、そこにいた人物を見て目を見開いた。
「…何してるの?…」
私の前に現れるや否や口を開いた彼は、ぼそぼそと話すせいか少々聞き取りづらい。
いやいや、それはこっちのセリフ…。
話したこともない鹿島君が、何で今ジャージでここにいて私に話し掛けてるの?
授業中じゃ?
私の前に突然現れた彼、──鹿島 久人(カジマ ヒサト)は学年でも有名な隣のクラスの男。
それは格好良いからとかじゃなくて…。
"ひょろり"という言葉がぴったりの痩せ気味で180センチは軽く越えるであろう長身に、伸びきった黒髪で目は隠され、ぼそぼそと話す彼は、周りから不気味と言われていて違った意味で目立つ存在だから。
噂では、人を呪う事ができるだとか、誰もいないのに誰かに話し掛ける様にぶつぶつと言っていただとか、奇妙な話ばかり聞く。
信憑性ないと思うけど。
授業中メガネ派の私には、ここからグラウンドにいる人の顔を判断するなど不可能だということが分かり、私は捜すのを諦めることにした。
澄み切った青空で飛行機雲を発見し、つい「あっ」と声に出す。
と、そこでギギーッと屋上のドアが開く音が耳に入った。
えっ?
私は驚いてビクッと身体を揺らし反射的に振り向く。
そして、そこにいた人物を見て目を見開いた。
「…何してるの?…」
私の前に現れるや否や口を開いた彼は、ぼそぼそと話すせいか少々聞き取りづらい。
いやいや、それはこっちのセリフ…。
話したこともない鹿島君が、何で今ジャージでここにいて私に話し掛けてるの?
授業中じゃ?
私の前に突然現れた彼、──鹿島 久人(カジマ ヒサト)は学年でも有名な隣のクラスの男。
それは格好良いからとかじゃなくて…。
"ひょろり"という言葉がぴったりの痩せ気味で180センチは軽く越えるであろう長身に、伸びきった黒髪で目は隠され、ぼそぼそと話す彼は、周りから不気味と言われていて違った意味で目立つ存在だから。
噂では、人を呪う事ができるだとか、誰もいないのに誰かに話し掛ける様にぶつぶつと言っていただとか、奇妙な話ばかり聞く。
信憑性ないと思うけど。