2人の王子と天然の姫

「ねぇっっ」

---ガチャッ


扉を開ける音と

私の声が重なる。

隼人はこちらを向いている。



「あ・・・あの」

「何だよ」

やけに冷たい口調。

さっきまでの笑顔の隼人は

もう消えてしまっている。

その目つきや態度が

喉から出るはずの言葉を

戻してしまった。

「用がないなら下行くぜ」

そう言って隼人は扉を閉めようとする。

私は・・・


< 245 / 384 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop